関連通知
放置間伐材に係る廃棄物処理法上の取扱いに関する調査結果について
公布日:平成20年3月31日
事務連絡
各都道府県一般廃棄物行政担当課 御中
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課
標記の件については、平成19年11月20日付け事務連絡にて行った調査に御協力いただき御礼申し上げます。
今般、調査結果を別紙のとおり取りまとめましたので、お知らせします。
廃棄物処理行政の執務に当たっての御参考としていただきますとともに、貴管下市町村への周知方、御協力をお願いいたします。
<別紙>
放置間伐材に係る廃棄物処理法上の取扱いに関する調査結果
1. 調査概要
<目的>
平成19年6月22日に閣議決定された「規制改革推進のための3か年計画」において、「放置間伐材は、運び出しにコストがかかることから利用が進んでいない状況にあるが、未利用の木質資源の利用促進を図る観点から放置間伐材を廃棄物として扱うことなく活用していることが確認できた事例について、各地方公共団体に周知を行う。」とされたことを受け、その実態を把握するため実施したもの。
<方法>
各都道府県に対し、管下の市町村において未利用の木質資源の利用促進を図る観点から放置間伐材を廃棄物として扱うことなく活用していることが確認できた事例があるかどうかを照会した。
具体的には、市町村の廃棄物担当部局に対して、当該市町村の農林担当部局、森林組合、林業従事者等から、放置間伐材の運び出しについて、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「廃棄物処理法」という。)上の取扱いが問題となっている事例の有無等について照会した。
2. 調査結果
調査の結果、放置間伐材の運び出しに関して廃棄物処理法上の取扱いが問題となっている事例は確認できなかった。
3. 放置間伐材の廃棄物処理法上の扱いについて
廃棄物とは、占有者が自ら利用し、又は他人に有償で譲渡することができないために不要となったものをいい、これらに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案して判断すべきものである(行政処分の指針について(平成17年8月12日付け環廃産発第050812003号環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長通知)第一、4、(2)、@)。
したがって、放置間伐材についても、この考え方に照らし、通常の材木と同様の性状等が認められるのであれば、一般的には廃棄物に当たらないものと考えられる。
また、その性状等を総合的に勘案して廃棄物であると判断した場合であっても、その処理方法によっては、市町村長の再生利用指定制度等を活用することが可能であると考えられる。
事務連絡
平成19年11月20日
各都道府県一般廃棄物行政担当課 御中
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課
放置間伐材に係る廃棄物処理法上の取扱いに関する調査について(依頼)
廃棄物処理行政については、平素より御尽力を頂き厚く御礼申し上げます。
さて、標記の件について、平成19年6月22日に閣議決定された「規制改革推進のための3か年計画」において「放置間伐材は、運び出しにコストがかかることから利用が進んでいない状況にあるが、未利用の木質資源の利用促進を図る観点から放置間伐材を廃棄物として扱うことなく活用していることが確認できた事例について、各地方公共団体に周知を行う。」とされたことを受け、その実態を把握するため、下記により調査を実施することとしましたので、御多忙中、恐れ入りますが、御協力をお願いします。
記
1.調査結果提出期限: 平成19年12月21日(金)17:00
2.調査回答方法
・政令市を含む貴都道府県下の全ての市町村の状況について、取りまとめ方宜しくお願いします。
・貴都道府県においては、「3.取りまとめ方法」に従い取りまとめいただき、当方あて電子メールの添付ファイルの形で御返送願います。
また、御返送の際は、下記タイトルとしていただきますよう御協力をお願いします。
電子メール :『間伐材調査結果(○○県(都・道・府))』
エクセルファイル:『都道府県コード.調査様式(○○県(都・道・府))』
(都道府県コードは調査様式中に掲載しています。)
・調査対象期間は平成18・19年度とします。
・貴都道府県管下の市町村に照会する際のひな形を添付していますので、御活用ください。
《別添》
平成17年8月12日付け環廃産発第050812003号環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長通知「行政処分の指針について」(該当部分抜粋)
第1 総論
4 事実認定について
(2) 廃棄物該当性の判断について
@
廃棄物とは、占有者が自ら利用し、又は他人に有償で譲渡することができないために不要となったものをいい、これらに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案して判断すべきものであること。
廃棄物は、不要であるために占有者の自由な処分に任せるとぞんざいに扱われるおそれがあり、生活環境保全上の支障を生じる可能性を常に有していることから、法による適切な管理下に置くことが必要であること。したがって、再生後に自ら利
用又は有償譲渡が予定される物であっても、再生前においてそれ自体は自ら利用又は有償譲渡がされない物であるから、廃棄物として規制する必要があり、当該物の再生は廃棄物の処理として扱うこと。
また、本来廃棄物たる物を有価物と称し、法の規制を免れようとする事案が後を絶たないが、このような事案に適切に対処するため、廃棄物の疑いのあるものについては以下のような各種判断要素の基準に基づいて慎重に検討し、それらを総合的に勘案してその物が有価物と認められるか否かを判断し、有価物と認められない限りは廃棄物として扱うこと。なお、以下は各種判断要素の一般的な基準を示したものであり、物の種類、事案の形態等によってこれらの基準が必ずしもそのまま適用できない場合は、適用可能な基準のみを抽出して用いたり、当該物の種類、事案の形態等に即した他の判断要素をも勘案するなどして、適切に判断されたいこと。その他、平成12年7月24日付け衛環第65号厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長通知「野積みされた使用済みタイヤの適正処理について」及び平成17年7月25日付け環廃産発第050725002号本職通知「建設汚泥処理物の廃棄物該当性の判断指針について」も併せて参考にされたいこと。
ア 物の性状
利用用途に要求される品質を満足し、かつ飛散、流出、悪臭の発生等の生活環境保全上の支障が発生するおそれのないものであること。実際の判断に当たっては生活環境保全に係る関連基準(例えば土壌の汚染に係る環境基準等)を満足すること、その性状についてJIS規格等の一般に認められている客観的な基準が存在する場合は、これに適合していること、十分な品質管理がなされていること等の確認が必要であること。
イ 排出の状況
排出が需要に沿った計画的なものであり、排出前や排出時に適切な保管や品質管理がなされていること。
ウ 通常の取扱い形態
製品としての市場が形成されており、廃棄物として処理されている事例が通常は認められないこと。
エ 取引価値の有無
占有者と取引の相手方の間で有償譲渡がなされており、なおかつ客観的に見て当該取引に経済的合理性があること。実際の判断に当たっては、名目を問わず処理料金に相当する金品の受領がないこと、当該譲渡価格が競合する製品や運送費等の諸経費を勘案しても双方にとって営利活動として合理的な額であること、当該有償譲渡の相手方以外の者に対する有償譲渡の実績があること等の確認が必要であること。
オ 占有者の意思
客観的要素から社会通念上合理的に認定し得る占有者の意思として、適切に利用し若しくは他者に有償譲渡する意思が認められること、又は放置若しくは処分の意思が認められないこと。したがって、単に占有者において自ら利用し、又は他人に有償で譲渡することができるものであると認識しているか否かは廃棄物に該当するか否かを判断する際の決定的な要素となるものではなく、上記アからエまでの各種判断要素の基準に照らし、適切な利用を行おうとする意思があるとは判断されない場合、又は主として廃棄物の脱法的な処理を目的としたものと判断される場合には、占有者の主張する意思の内容によらず、廃棄物に該当するものと判断されること。
なお、占有者と取引の相手方の間における有償譲渡の実績や有償譲渡契約の有無は廃棄物であるか否かを判断する上での一つの簡便な基準にすぎず、廃プラスチック類、がれき類、木くず、廃タイヤ、廃パチンコ台、堆肥(汚泥、動植物性残さや家畜のふん尿を中間処理(堆肥化)した物)、建設汚泥処理物(建設汚泥を中間処理した改良土等と称する物)等、場合によっては必ずしも市場の形成が明らかでない物については、法の規制を免れるため、恣意的に有償譲渡を装う場合等も見られることから、当事者間の有償譲渡契約等の存在をもってただちに有価物と判断することなく、上記アからオまでの各種判断要素の基準により総合的に判断されたいこと。さらに、排出事業者が自ら利用する場合における廃棄物該当性の判断に際しては、必ずしも他人への有償譲渡の実績等を求めるものではなく、通常の取扱い、個別の用途に対する利用価値並びに上記ウ及びエ以外の各種判断要素の基準に照らし、社会通念上当該用途において一般に行われている利用であり、客観的な利用価値が認められなおかつ確実に当該再生利用の用途に供されるか否かをもって廃棄物該当性を判断されたいこと。ただし、中間処理業者等が自ら利用する場合においては、排出事業者が自ら利用する場合と異なり、他人に有償譲渡できるものであるか否かを判断されたいこと。